*防犯設備士(セキュリティ営業)の現場見聞録 第3回
近日の台風到来に伴い国内各地で荒天の中いろいろな盗難事件が各地で発生しました。
報道された中でも車両盗難、果樹園から高級フルーツ盗難、クーラーの室外機盗難などが発生しました。

暴風時の荒天時は人もほとんど出歩かず車両の往来も少なく、多少の騒音を出しても建物の揺れや強風で飛来する物の音で普段より気にされなく、不審者が建物侵入時にガラスやシャッターを破壊された際に出る音も特に不審がれない状況のうえ、大雨の音が遮断カーテンの役目をして騒音が伝わらないことも多々あります。それ以外にも全身を隠すレインコートやカッパを着ても不審に思われない事もあるようです。

今回は上記内容のように台風時における犯罪事例をご紹介します。
対策のご参考になれば幸いです。

1.暴風時は不法侵入者にとって都合の良い環境

暴風の際によく起きる事態として、停電が上げられます。
その状態は暴風警報が解除されるまで復旧されない事が通常です。


現代のIT環境では停電は最大の障害になります。
その時不法侵入に対する警備用の機器も作動しない場合もあります。
また、まれに自家発電等でリカバリーすることもありますが、重ねて回線の不良で警備会社との通信機器が繋がらないケースもあります。

停電時の場合は、基本的に会社等は固定電話を保持している場合がほとんどなので、異状が発生した場合固定電話回線と通じて警備会社への通報が可能ですが、警備会社への通報手段がウェブ(インターネット等)の場合停電時は不可になります。固定電話がない飲食店でよく見られるのは、通信環境の条件から警備会社との契約がされてない場合があります。
加えて停電時に、店舗が休日であった場合、スマホ等のバッテリーが持たない等の条件もあるようです。
 
上述を踏まえて台風時不法侵入者は通常に状態にくらべて建物等の侵入が容易な環境になります。

2.台風は防犯機器(セキュリティ)を無力化する。

暴風の際監視カメラは停電時使えなくなることもそうですが、大雨で撮影場所が鮮明に映らない事やカメラレンズが雨で濡れたり汚れたりしてきれいに映らない事もあります。

暴風雨による建物等の揺れや振動、瞬電等で警備機器の誤作動が多発します。
特にドアや窓の開閉を感知するマグネットセンサーの誤作動が多いようです。
警備会社は機器から通報があった現場に駆け付けて状況を確認しますが、そのようなケースが何件も発生した場合、警備員の手が足りず発報場所に行くのが遅くなるケースも起きます。
その時、本当に不法侵入があった現場に行くのが遅れて被害に合うケースもあるようです。

3.盗難より設備の原状回復に費用が掛かる

不法侵入者は出入り口のシャッターや窓を壊して侵入するケースがあります。
通常の天気では殆どありませんが、暴風時には騒音に紛れ比較的多く発生することがあります。
その場合設備の修理や入換に多額の費用が掛かるケースもあります。
警備会社との契約や火災保険に入っている場合その保険で補填することが出来る場合もあります。しかし、火災保険の場合第三者のよる破損や盗難はオプション契約で別途(補償外)のケースや警備会社も契約内容に含まれない事もあるので確認が必要です。

2次被害として出入り口シャッターや窓が破損しそこから風雨等の被害が発生する場合もあります。その場合、警備会社との契約や火災保険で補填することが出来るか確認してみたほうがいいかもしれません。

4.被害を抑える

会社関係で被害をおさえるのはノートパソコンや会社所有の携帯(スマホ等)は暴風に入る前鍵付きロッカーや書庫、金庫に保管することをお勧めします。
ノートパソコンは大事な顧客情報を保存している場合もありそれを外部に持ち出されると大変な問題になります。暴風に入る前にしっかり確認してください。

店舗や飲食店はとにかく現金を店舗に置かない事です。
暴風前に回収してください。コインランドリーとコインパーキングはこまめの金銭の回収を徹底した方が良いと思います。
最後に沖縄は暴風圏内が長く続くことがあります。
その間不法行為をする悪漢に有利な環境が続くことになります。
しっかりと台風時には防犯対策を取るように心がけてください。

以上、ご拝読ありがとうございました。